2日目 その6 さようなら美瑛、そして最高においしいスープカレーへ

美瑛の駅前に戻ってくると、日が暮れ始めていました。ここから次は朝と同じように電車に乗って富良野に移動しようと考えていたのですが、ラベンダー号という高速バスで移動する手もあるなあと気づきました。地図で見ると、夕ご飯を食べようと思っていたお店はラベンダー号のバス停の方が近そうなことがわかったのです。でも美瑛のバス停の場所がよくわかりません。ひとまず荷物を取りに行くため駅前の四季の情報館に戻ると、午前中のバスツアーでガイドをしていたマダムが受付にいて、自分に気づいてくれました。午後は丘をサイクリングすると話していたので、「美瑛の丘はどうでした?楽しめました?」と声をかけてくれました。とても気持ちが良かったと答えて、ついでにラベンダー号の乗り場を聞いてみました。バス停はこちらと反対側、美瑛選果がある側の駅前にあると教えてくれました。富良野行きも、反対方向の旭川方面も同じバス停ということです。お礼を言って荷物を取り、バスの時間を調べたら乗ろうと思っていた電車の20分後だったので、バスで移動することにしました。ひとまず駅の待合室で時間を潰し、バスの時間10分前になってバス停に移動すると、すぐにバスがやってきました。行き先は書いておらず、時間が早すぎるので、もしかしたら旭川行きかな?と思っていたら、前に並んでいた人が確認してくれて案の定でした。マダムに反対方向も同じバス停ということを聞いていなかったら危うく乗ってしまうところでした。

バスはしばらく美瑛の丘の風景を走り抜けたあと平地になり、ひたすら田園風景、鄙びた商店街、何もないロードサイドを繰り返し通り過ぎて行き、富良野駅に1時間ほどで到着しました。ここではまだ降りず、さらに次の本通5丁目まで行って降りました。料金は電車の運賃と同じ640円くらいでした。帰りもここからバスに乗るので、バス停の場所をしっかり覚えておきました。

そしてバス停から5分ほど歩き、富良野市役所の隣にあるカレーのふらのやにやってきました。本当は富良野名物オムカレーでも食べようと思っていたのですが、ここのスープカレーが絶品との口コミを各所で見たので食べてみたくなったのです。駅から歩いて行ける場所にあるのもポイントでした。ちなみに富良野駅から歩いてくると10分程度かかりそうです。お隣が市役所なので場所はわかりやすいです。

店内はログハウス風の内装で、落ち着いて良い雰囲気です。客席とカウンターの間には大きな本棚があり、漫画が並んでいました。レストランと言うよりは喫茶店のような感じなのかなと思いました。本棚の横の席で、地元の方と思われるカップルが無言でひたすら漫画を読んでおりました。その後現れるお客さんたちも、ほぼ車を使ってラフな軽装でやってくる地元の方ばかりでした。ここまでキャリーをゴロゴロ転がしながらやってくるのも面倒だったし、入り口の階段で若干苦労したので、やっぱり毎日宿を変えると荷物の移動が面倒くさいから大変だな…と思った次第です。席と席の間はゆったりしているのでキャリーの置き場には困りません。

メニューはスープカレーの他にルーカレーも選べました。やわらか骨つきチキンとかエゾ鹿フランクなどにも心惹かれたのですが、あんまり肉を欲してなかったので道産野菜のみにしました。ルーカレーの方が断然好きなのですが、ここはやっぱり北海道名物にしておくか…とスープカレーを選びました。ふらのやは札幌にもあるようなのですが、住所を調べたら札幌市内といえども観光客が全く行かないような駅にあるようでした。こちらのお店もそうだけど、地元民向けのお店のようです。

5分程度待ったらすぐにスープカレーがやってきました。野菜だけなのにものすごいボリュームです。ブロッコリー、ピーマン、ナス、人参、いんげん、かぼちゃに、手前にふわふわ浮いているキャベツと種類も豊富な上に野菜の1カットがかなり大きいです。特に人参は嫌いな人には地獄のような大きさと厚み。でも野菜単体でも食べられちゃう味の濃さで美味しいのです。そして肝心のスープカレー、えー!こんなに美味しいの!とびっくりするくらい旨みが詰まった複雑な味わいです。以前食べたことがあるスープカレーはサラサラでとにかく辛かったと言う印象しかないのですが、少しとろみがあって、たくさんのスパイスを使いながらも日本人の大好きな甘辛味に仕上げてあります。野菜を絡めるとさらに相乗作用で美味しく食べられます。昔アークヒルズにあったFishってカレー屋さんのスパイシーなカレーが好きだったのですが、あのカレーを日本人好みのスパイスに厳選して作ったらこんな味になるだろうという感じでありました。食べてたら体がポカポカしてきました。量が多いので食べきるのに時間がかかりましたが、美味しいカレーと野菜をゆっくり一口ずつ口に運んで味わう、それはそれは幸せなひと時でありました。

上の野菜を食べきったら、ごろっとしたジャガイモが出てきました。上の野菜はこのジャガイモに支えられていたようです。もちろんジャガイモもとても美味しいので嬉しいサプライズであります。そしてこのジャガイモがこのスープカレーに最高に合うのです。これルーカレーも絶対美味しいだろうな…と思い、明日以降このカレーをもう一度食べるチャンスがないか検討し始めました。

うまくいけば明日のお昼にもう一度来れるかもしれない、と結論を出した後、ふらのやを出て、腹ごなしがてら夜の富良野の街を少し歩いてみました。もうすっかり日も暮れて、辺りは暗くなり始めていました。そんな薄暗い街に燦然と輝くラーメン山岡屋。個人的なイメージは東京でいうラーメン二郎みたいなものかなーと思っているのですがどうなんでしょう。通り過ぎる時に二郎の前を通った時と同じとんこつ臭が致しました。

山岡屋の前を通り過ぎ、気になっていたフラノマルシェに来てみました。広い駐車場を見て、ここに歩いてくる人いないんだろうな…とつくづく思いました。広すぎて建物まで近づくのにも数分かかります。

建物は幾つかに分かれていました。パン屋や野菜の直売所などもありましたが、とりあえずお土産物を豊富に取り揃えている物産センターが入ってる建物に入ってみました。チーズケーキとかラベンダーものとか、北海道物産展でいつも見るような有名なお土産どころが揃っていました。夜ご飯後のおやつ用にチーズケーキでも買おうかなと思いましたが、心動かされるものはなく、特に何も購入せず。

物産センターと繋がっている飲食スペースに移動して、どんなものが食べられるのか見てみました。このぷちぷちバーガーというお店は道産の小麦粉を使ったバンズに、珍しい具材の組み合わせのグルメバーガーがお手頃値段で食べられるようでとても気になりました。ふらのやのカレーを食べていなければ、パクチーバーガーをぜひとも食べてみたかったです。

1番奥に富良野チーズ工房のジェラートふらのがあり、絶対美味しいやつと思って、つい注文してしまいました。とうきびとかハスカップとか、北海道ならではのフレーバーもありましたが、富良野にはワイン工場があるくらいだからきっと美味しいはず、と思ってぶどうにしてみました。シングルだけど思っていたより大きめカップで、値段もお手頃でした。ミルキーで濃厚なミルクジェラートに負けない濃ゆいぶどう味が最高でした。カレーの後味をさっぱりさせてくれました。北海道に来てからこの味でこの値段…!という感激に包まれ続けております。

ジェラートを食べ終わった後は、道路を挟んで向かい側にあるフラノマルシェ2にも行ってみました。こちらには雑貨や小物を売るお店やフードコートのようなスペースがあるようです。

入ってすぐのところで野菜の直売をしており、どんなものが売られているのか見てみたら、珍しい野菜ばかりで興奮し、お店の人に断って写真を撮らせてもらいました。チョコパプリカなんて初めて見ました。多分色がチョコレートと同じだからの名付けと思われるのですが、味もかなり気になりました。そして珍しいのに100円という良心的価格…!一度北海道に住んで自炊する生活をしたくなりまくりました。

これも珍しいセロリアック。セロリの根です。イルプルにセロリの根を使うとても美味しいサラダがあるのですが、これを使えばあの味を再現できるかもと思いましたです。

どう見てもかぼちゃにしか見えないズッキーニもありました。食卓のカゴの上に入れておくだけで絵になりそうです。そしてやっぱり味が気になります。切り方に悩みそうです。

そして普通のスーパーではなかなか売っていないビーツもありました。ビーツはコーンみたいな味わいなんですが、とにかくコーンに比べて栄養豊富で、積極的に食べたい食材です。日進で500円くらいの値段をつけられているのを見たことがありますが、この値段だったらもっと気軽に取り入れられます。いいなー。しかしまな板やビーツを触った手が真っ赤に染まることは忘れてはいけないのであります。

とりあえず一通り見終わり、平日の夜とはいえ、あまりの人の少なさにびっくりしました。観光客向けの施設のようなのでこんなものなのでしょうか。休日の昼間は混むのかなー。富良野オムカレーマップが置いてあったのでちらっと見てみましたが、あまり心惹かれるものはありませんでした。駅前の有名店はチャイナの方で混雑しているとも聞いたので、ふらのやにしておいて正解だなと思いました。

バスの時間が近づいたので外に出てバス停に戻りましたが、ありえないくらい真っ暗で自分の手元もよく見えず、ほんの数分でもとても怖かったです。歩いている人が全くいないので、外灯もいらないのでしょうね…。富良野は有名だけどあまり栄えてはいない(田舎)街なんだなと思いました。バス停には待合用の小さな小屋もあり、かろうじて外灯が照らしてくれていましたが、全然人がいないのでやっぱり怖かったです。途中で同じバスに乗ると思われるカップルがやってきて待合用の小屋に入って行ったのですが、二人とも一言も喋らず、じっとスマホを見ていたのも怖かったです。LINEで会話してたのかもしれませんが。とても長い数分を経て、やっとやってきたバスに乗り込みました。時間はまだ7時頃でしたが、街はすっかり夜更けモードです。

次はバスに揺られて今日泊まる宿まで行き、やっと2日目終了です(まだ2日目…)。

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