4日目 その6 クリエイターがひそむ不思議なマンションを訪れる

大通公園を抜けてもまだ真直ぐ進み、1つ裏の通りに入って目的地と思われる場所にたどり着きました。見た目があまりにも普通のマンションなので、ここで正解なのかどうか迷いながら入り口に近づきました。

目のつくところにSPACE1-15の看板が出ていたので、ここで間違いないことを確信しました。マンションの名前はシャトー・ル・レェーヴのようです。

オートロックのマンションなので、中に入るには誰かを呼び出さねばなりません。本当に入れるかなー、と心配しながら訪問先の部屋番号を確認すると衝撃のお知らせが。行きたいお店の1つであったオリジナルの布ものや紙ものをデザインしている306号室の「点と線模様製作所」がお休みになっている…!出発前に各種SNSはチェックしていたはずなのに、迂闊でした。。しかしもう1つの行きたかった503号室の「CAPSULE MONSTER」は特に何の張り紙もなく、営業しているようなので、ドキドキしながらボタンを押してみました。「どうぞ」と聞こえてすぐに自動ドアがガーッと開いたので特に何か問いかけたりしなくても大丈夫でありました。

エレベーターで5階まで上がり、503号室を訪れると、部屋の扉と思われる鉄のドアは開いていました。その中に取付けられている木の扉を開くと、マンションの部屋を改装した焼き菓子のお店が現れました。中央のテーブルにはたくさんの種類のフィナンシェやパウンドケーキが並べられています。

壁沿いの棚の上には白いボウルが並べられ、その中にサブレやロシェという名のメレンゲを入れてありました。色々な種類があって目移りしてしまいます。

この一人でも営業できそうなお店の小じんまり感といい、焼き菓子と生菓子のバランスといい、部屋のような(元がマンションの部屋だから当然だけど)落ち着く雰囲気のお店の感じといい、こんなふうにお店を開きたいなー、と強く思いました。この雰囲気を覚えておきたいと思い、お店の方に確認して店内の写真を撮らせて頂きました。この生菓子のショーケースの大きさも理想的なのであります。

ショーケースにはフレジェやチーズケーキが8種類ほど並べられていました。写真の下の段にあるブルーベリーバックルというシュトロイゼルがのせられているケーキも、下がブルーベリーのチーズケーキとなっているようでした。フレジェかブルーベリーバックルのどちらかを食べてみたい〜〜とアツく思いましたが、今はまだお腹はいっぱいなコンディションだったので無理して食べたくありませんでした。それと、どこで食べるんだ問題もありました。しかしそれはこのマンション内のカフェで食べられるという案内があったので即解決しました。それでまた少しゆらぎましたが、どれくらいの時間お茶できるかなー、と確認したら30分くらいしかゆっくりできなさそうで、やっぱり諦めました。いつかまた札幌に来ようと思いました。

スコーンが置かれた棚の上にはピンクの小花をつけたドライフラワーがふわっと飾られていてこれも素敵でした。ラッピングもシンプルだけどお店の雰囲気にあっていてかわいいです。

生菓子は諦めて焼き菓子をいくつか購入しました。シンプルな白い紙袋でしたが、お店のタグがつけられいます。店主さんが描いたイラストなのかな?こういうカラーで描いた絵のタグで袋を閉じるの、いいアイディアだなーと思いました。こちらも写真でメモメモ。

購入したのは米粉とナッツでできたクロッカン、ギモーヴ、薔薇のフィナンシェです。普段自分が作らないなー、と思うものを選びました。色がきれいなのでパート・ド・フリュイと迷ったギモーヴは、カシスやジンジャー、パッションフルーツの味がしておいしかったです。ちゃんとフルーツのピュレを使っているフルーティーな味がしました。ピュレそのままのナチュラルな色合いも良いです。袋にパンパンに空気を入れていて、その中でギモーヴがふわふわ動いているのも何かかわいかったです。クロッカンはナッツでざくざく食感が楽しく、薔薇のフィナンシェは薔薇の香りが最後にふわっとくる感じでクセは強くなかったです。真ん中の渦巻きはフランボワーズジャムのようでした。どれもやっぱり値段がお手頃で、もう少し買ってくれば良かったなー、と思いました。

お目当ての焼き菓子は購入しましたが、他のお店も気になるので階段で下りながら見て回りました。自分のお店のインターホンを押していないお客でも怪しまれないかなーとおずおずとしましたが、どの部屋もこんな風に扉が開かれていたのですすっと入ってしまいました。器や手作り布小物のお店をちら見し、いいなーと思うものはあったものの買うには至りませんでした。

303号室はコーヒーと本を扱っている「書庫303」で、CAPSULE MONSTERのケーキが食べられると案内されていたお店でした。お店の中には天井までの本棚が取付けられていて、本と雑貨が所狭しと並べられ、窓際にはコーヒーが飲めるカウンター席が用意されていました。とても居心地がよさそうで、一人で本を読みに訪れたりするのにぴったりな空間になっていました。食系の古本が充実していたのでささっと見て、お茶したかったなーと後ろ髪をひかれつつマンションを去りました。

マンションを出てからは、さきほど時間があまりないことを知ったので早足で歩いて行きました。ホテルを出て空港に向かおうと思っていた時間が近づいています。このぱっと見た感じありきたりビルをなんで撮ったのかというと、1階に札幌では有名な森彦という喫茶店が入っているからです。コーヒー好きが札幌に来たら行くべしなお店のようなのですが、今回は訪れるチャンスがなくて残念でした。次来た時は…!とまた札幌の思い残しを増やしました。ちなみにここ以外にもいくつか店舗はあるようです。

札幌からホテルのある中島公園に向かうのに、地下鉄や市電を使わなかったのは、もう1つ行っておきたいお店があり、歩いて行ったほうが早そうだったからです。最後にこの道産食材を扱っているhugというお店で食材を書いたかったのです。

野菜がお手頃な値段でたくさん売ってましたが、荷物になるでやめておきました。しかしとうもろこしの美味しさに感動したので、なんとかとうもろこしだけは買いたい…と物色していたら、皮をむいてラップをかけた、持ち運びのしやすそうなゴールドラッシュという品種のものを発見したので購入しました。値段もお手頃です。このまま電子レンジにかけてすぐ食べられるという親切仕様ですが、皮がむいてある代わりにすぐ食べなければいけません。家に帰ってこの日にすぐ食べましたが、甘くて瑞々しくてとても美味しかったです。家の近くのスーパーで売っているとうもろこしはなんで水っぽいだけでこんなに味がぎゅっと詰まってないんだろう、と思いました。

それとあと通販でないと手に入れづらい小麦粉も欲しかったのですが、並んでいるのは強力粉ばかりでした。今ならパン作りが自分の中で流行っているので飛びついて買ってしまうのですが、このときはお菓子のためのここでしか手に入らなそうな品種の薄力粉がなかったの買わずに帰りました。それから朝ホテルのビュッフェで食べて感動したほたて醤油も探してみたのですが見つからず。でもほたて醤油はふつうのスーパーで探した方が見つかりそうだったなー、と後で後悔しました。

一通り札幌で行きたいお店は行ったので、急ぎ足で中島公園のホテルまで戻りました。ここからは10分くらいでした。昨日の夜、同じくらいの距離を歩いて帰れたので、今日も歩いて帰りました。ホテルに到着して預けていたキャリーバッグを受け取り、荷物を整理したら、次は荷物が多くて歩きは辛いので、地下鉄で札幌に戻りました。

ここからJRに乗って新千歳空港に向かいます。そろそろこの北海道旅日記も終わりです。長かった…

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