1日目 その2 上野ファームで北海道ガーデンの虜となる
旭川1つ目の観光名所、上野ファームにやってきました。ガーデン好きの方には有名ですが、北海道には今北海道ガーデン街道なるものがあって、大雪から十勝の間の250kmの街道沿いに、8つの北海道らしい美しいガーデンが点在しているのです。ガーデンだけではなくて、海外から招いたシェフや有名な日本人シェフが所属するレストランと宿泊施設を備えているところもあり、ガーデン街道を巡るツアーもたくさんあるようです。上野ファームはガーデナーの上野砂由紀さんという、ドラマの「風のガーデン」の舞台となった庭をデザインした方のご実家で、元は米農家だったのに、直売所に買いに来るお客さんのために徐々にお花を植え始めて、最終的にはこんな素敵なガーデンにしてしまったという場所なのです。
旅行に行く前に見ようかなーと思ったけど、北の国からもろくに見たことがないくらい倉本作品にも思い入れがないため、やる気がわかずでした。でも帰ってきたらちょっと見たくなってきました。中井貴一主演。
入場料は800円でしたが、乗り放題バスチケット(あさくるパス)を入場の時見せたら、100円割引してくれました。ここまで来るバス料金と、旭川駅から旭山動物園の片道でほぼ元が取れるのに割引までしてもらえてお得であります。ただバスは1日3本の期間限定で、ここまで来るバスは午後の早い時間に終わってしまうので時刻表のチェックが必須です。上野ファームのHPにたぶん詳しく書いてあります。
中に足を踏み入れる前から、騒がしい鳴き声が聞こえてくるなあ、と思っていたら鶏様が3匹程度お散歩しておりました。ここは彼らの庭のようです。お邪魔いたします。後からガーデン内の地図を見て、自分は売店などがある西口から入ったことに気づきました。もう1つ大きな駐車場のそばに、東口もあるようです。バスで来ると、自然と西口から入るようです。
緑のアーチをくぐり抜けます。レンガが積んである塀の上に、クマらしき置物が寝ておりました(正確には寝てる置物)。この辺りからもうワクワク感が止まらないのであります。
一面の花!花!という感じではありませんが、緑の葉っぱの合間から、自然に花が咲いているのがとても好ましいです。上野ファームでは名札を実際の花のそばで掲示していないので、花をただ眺めて鑑賞するというよりも、きれいな花が咲く庭の空間を楽しみながら散策するという感じです。
程よく手入れされているけど、野性味も残しているところが、「自然に囲まれている」気持ちを高ぶらせてくれます。植物の背が高いのもいいです。
でも野花のような可憐な花だけでなく、たまにこういう大ぶりな花も登場します。これは芍薬に似ているイングリッシュ・ローズかな。。上野さんは英国風ガーデンの勉強をしたらしいので、ところどころ英国風なテイストも入っているように感じます。一応去年ロンドンの公園で英国風ガーデンを体験してきたので、感じている英国風テイストに間違いはないと思う(たぶん)。
こういう低い小花の後ろに、長細い植物が植えられているのが英国テイストかなと思いましたです。あと色合いが紫よりなところとか。この花は葉っぱが白っぽいから、緑のガーデンの中でとても目立ってました。
両側に咲いている花がいろいろなので、右見たり左見たりで全然飽きません。楽しい。
姫リンゴの木もありました。秋が近づくと、もう少し色づくのでしょうか。実ものも結構あるので、実もの好きにはたまりません。
空の方向に広がって咲いた紫の小花がとてもかわいいです。後ろの針葉樹は、ここが寒い地域なのだろうなあということを感じさせます。
何かいる!とハッとして振り向くと、黒いボディがカッコイイ雌鶏さまがおりました。すごい風格なので、姐さんとお呼びさせていただきました(心の中で)。近づいても全然逃げない、肝が据わった方です。思わず通り道を譲りました。
これはクレチマス?でしょうか。とても大きいです。母の日にプレゼントしたので実家に鉢植えがありますが、こんなに大きな花ではなかったと思います。北海道サイズです。
マザーズガーデンと呼ばれる庭を散策し終えると、こんな看板がありました。上野ファームはこの射的山という丘のふもとにあるのです。山頂まで150mというハードルの低さにつられて坂道を登ってみました。
森を抜けるとこんな風に道が開けます。最終的にはこの写真の向かって左の上まで上がるのですが、最後の方、道の整備がされていないところ辺りから、とても登り坂がきつかったです。ちょっとだけ後悔しました。
山道の途中でこんな柴漬けカラーの渋い植物があったので、写真を撮ってたら、ブーン…という低い音とともに蜂が飛んできました。ビビって植物から離れてしまいました。蜂は一番手前の高い位置に止まってくつろいでいました。大きい…マザーズガーデンを散策している時から薄々気づいてたのですが、自然に近いガーデンには半端のない数の虫が飛んでおります。ずっと花を見ながらブーンブーン、という音が気になってましたが、姿が見えないので気づかないふりをしていました。気づいてしまったので、やっぱりガーデンには憧れるけど、必ずや花と植物があるところに虫が飛んでくるので、自分にはベランダガーデンすら無理ということを再認識しました。
ついに射的山の頂上まで登り切りました。3分くらいしかかかってないけど、疲れました。。でも見下げるとこんな田園風景が広がっていて、広がりの気持ち良さに、頑張って登ってきてよかったなあと思いました。
上野ガーデンの敷地を見下げると、ムーミンが住んでそうな小屋が見えました。マップを見ると、あそこはノームの庭と書かれています。あとで散策するので、さっと見るだけにしておきました。敷地のすぐ外の田園との光景が違和感ないので、現実とうまく融合しているな、と感心しました。
見下げると開けていますが、横を見るとこんな風にまだ荒々しい光景もありました。これはこれで好きです。
登ってきた者を慰労するためか、一応頂上にはイベント物も設置されておりました。「縁結び地蔵」「孤高の木」と札が掲げられております。個人的にはむしろ現実に戻り気味になるから、いらないのになーと思いました。木はそもそも生えているものだからまあいいのですが(名付けセンス以外)。主に地蔵の方です。
頂上の風景も満喫したので、そろそろ下ろうを道を探しました。「ノームの散歩道」「ノームの庭」と書かれた札の下に、お茶を飲んでるらしき何かがいましたが、気にしないことにしました。
札が差す方向に下ってみたのですが、いやこれ道ないだろと突っ込みました。道無き道をかき分けて下ります。
だいぶ下の方まで降ったら、細めの白樺に挟まれたノームの散歩道が現れました。ネットでこの両側にチューリップが咲き乱れる写真を見かけたのですが、少し薄暗くてそんなに華やかな雰囲気になる気配はありませんでした。でも「これは木のトンネル」と思うと、子供はワクワクするのかもしれません。
「木のトンネル」を抜けると、開けた田園風景が広がりました。地上に戻ってきたようです。
次はノームの庭ですが、長くなるので続きます。