2日目 その4 美瑛の丘の写真、野菜たっぷりポトフのランチ

行きたかった青い池と四季彩の丘も見終わり、バスツアーは最後の目的地、拓真館へとやってきました。こちらは美瑛の丘の写真を撮り続けた前田真三さんという方のギャラリーで、入場は無料です。正直全く興味がなかったので、行かなくてもいいのになー、と思っていました。しかし、四季彩の丘を出てからここに到着するまでのガイドのマダムの説明を聞いているうちに、それならまあ見ておこうかな、という気になりました。マダムが話してくれたのは、美瑛は今となっては北海道の有名な観光地の1つですが、マダムが幼い頃は全く訪れる人がおらず、ただ農業をしているだけの地域に過ぎなかったそうです。農業をするにも丘のアップダウンが激しく、作業の大変さに丘の上り下りも加わって、マダムは手伝わされるのが嫌で嫌でしょうがなく、この丘の連なりも大嫌いだったらしいです。しかしある日街に観光でやってきた件の前田真三さんが美瑛の丘の風景に感銘を受け、住み着いて写真を撮り始めました。それらの写真はとても素晴らしく、大嫌いだった丘の風景がこんなに美しかったのだと初めて気づかされたそうです。そしてそれらの写真が世間に公表されると、あっという間に美瑛は有名観光地となり、街が農業以外の収入を得る道を見つけられたということでした。このギャラリーは街から前田さんへの恩返しみたいなものなのかなあと思いました。廃校となった小学校の跡地に建てられたそうです。

ギャラリーはプリントや写真の販売で利益を得るのが目的のようなので、入場が無料なのかと思いました。館内の写真はもちろん撮影禁止なので、窓の外からの風景を撮ってみました。のどかだけど雄大で気持ちの良い景色です。前田さんの写真に興味がある方はひとまず画像検索の結果でもご覧下さい。今肉眼で見えている丘の風景も素晴らしいけど、雪景色や夕景もこんなにきれいなんだなー、ということを知れました。来てみてよかったです。

ギャラリーの外にある白樺の回廊を散策する時間まではありませんでしたが、他のツアー参加者の中には館内はササっと移動して散策した方もいたようでした。リスもいたらしいです。風景写真に興味がなくても楽しめるかもしれないです。

ツアーはこれにて終了でしたが、最後のおまけとして、まだガイドブックにも乗ったことがない「四角い木」が見られる場所で少し停車してくれました。距離はちょっと遠いですが、確かにこの木の周りだけ何もなく、とても印象的な光景です。ちなみにガイドのマダムはここに座っていたのですが、わたくしめが写真を撮れるように移動してくださいました。ありがたい…

これから美瑛はどんどん寒くなって観光客もいなくなり、農業も終わり、静かで寒い冬をじっと過ごすことになるとマダムは話していました。そして燃料費は東京の人が想像できないくらいかさむと語られ、美瑛に住めたら心が洗われそうと妄想した自分の心をすぐに砕いてくれました。実際に住んでいるマダムの話をこうして聞けただけでも、このツアーに参加してよかったな、と思えました。

ツアーは駅前の四季の情報館に戻ってきて解散となりました。ちょうどお昼すぎくらいの時間だったので、駅前のどこかのお店でランチを食べることにしました。駅前のメインストリートもこんな感じでがらんとしていて、入れるお店もだいたい決まっておりました。

本当は喫茶すずらんのランチが美瑛の野菜がたくさん食べられそう&美味しいコーヒー飲めそうで興味があったのですが、残念ながらこの日は定休日でした。なので次に野菜がたくさん食べられそうな、おきらく亭というビストロ?の方に来てみました。

平日の昼間のせいか、他にお客さんは1組だけですぐに入れました。店内は明るく、スペースにゆとりもあって良い感じにくつろげました。

ランチはミニコースとなっており、メインに前菜仕立てのサラダ、ご飯、飲み物が付いてました。メインはそこそこ暑い日にどうかとは思ったのですが、野菜を欲していたのでポトフにしました。熱々スープが来る前に、アイスコーヒーで喉を冷やしておきました。

サラダはオードブルと呼んでも差し支えない美しい盛り付けでした。ドレッシングも手作りしていると思われる美味しさでした。しかしなんといっても野菜がとてもおいしく、特にコーンと甘さとジューシーさ、ジャガイモのみずみずしさとホクホク感に心を奪われました。味にあまりうるさくない人でも気づけるのではと思えるくらい、いつも食べているコーンやジャガイモの味とレベルが違いました。この味だったら野菜だけのおかずしかなくても満足できそうです。

サラダを食べ終わると、メインのポトフが運ばれます。ご飯とたっぷりのフランス産マスタードも添えられました。予想通りキャベツ、玉ねぎ、ジャガイモ、セロリと野菜がふんだんに入っていて、見た目のボリュームだけでも満足しました。

骨つき鶏肉はフォークだけで肉がほろほろほぐれるくらいしっかり煮込まれていました。野菜と肉の旨みがたっぷり詰まったスープはとてもおいしく、フーフー冷ましながらご飯を浸して食べました。美味しかったですが、どちらかというとこのスープにはパンを合わせたいなと思い、パンの選択肢もあればいいのになー、と思いましたです。ポトフもジャガイモがとても美味しかったですが、玉ねぎの甘さも半端なく美味しかったです。酸味のマスタードをつけて味変したりしながら最後までおいしく食べられました。スープはお代わりできましたが、この1杯だけでお腹いっぱいになれました。寒くなってきた今日この頃にこのポトフをまた食べたい気持ちに駆られます。。

美味しいランチを食べてゆっくりくつろいだ後は、午後の丘散策のために、レンタルサイクルを借りに寺島商会というお店までやってきました。中に入って声をかけて、1時間600円の電動自転車を借りました。特に身分証明書を見せるということもせず、大学ノートに名前と住所などを書き、お店の方が貸し出した時間を書き込んだらはいどうぞ、という感じで簡単に借りることができました。電動自転車に乗るのが初めてくらいのレベルだったので、乗り方を説明してもらい、お店に置いてあった美瑛のイラスト地図をもらってから出発しました。

自転車に乗るのが思い出せないくらい久しぶりだったので本当に乗れるか心配で、最初はヨロヨロしてしまいましたが、すぐに感覚をつかんでスイスイ走っていけました。地図を見るとぐるっと回って線路を越さなけらばならないようでしたが、地元の人が歩いて行った先のこの小さな踏切が見えたので、遠回りせずにここから向こう側に渡って行きました。

次はめくるめく美瑛の丘の世界に突入します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Back to Top