土井善晴先生の料理教室 3月の煮付けと茶碗蒸し

土井先生の料理のお稽古もついに最後になりました。3月の最終回はちょっと豪華に、ということで、かれいの煮付けと茶碗蒸しの華やかな2品を学ぶことになりました。まずは茶碗蒸しに入れる、三つ葉や百合根の説明がありました。三つ葉はともかく、百合根は普段あまり使わない野菜なのでとても新鮮でした。百合根は痛まないようにおがくずの中に入れて保存し、使うときは1枚ずつはがして使うそうです。茶碗蒸し以外の使い道に困りそうでしたが、バターで炒めてステーキに添えたりして、洋食に使うのも良いと言っておられました。

その他の茶碗蒸しの具は鶏肉やエビ、椎茸のうま煮、かまぼこ、銀杏です。エビは才巻エビという車海老の小さいものを使っておりました。卵液の方は卵と卵黄、2番だしの組み合わせです。卵黄だけ使って味を濃厚にするようです。残った卵白は、天ぷらの衣やフライの卵の代わりに使えば良いのだとか。卵白が余ったらフィナンシェとメレンゲに使うしかないと思っていたお菓子脳だったので、料理にも使えるんだと目からウロコでございました。フライに卵1個使うのもったいないなあと思っていたので、卵白だけで代用できるのは嬉しいです。卵白なら冷凍もできるし、冷蔵庫で1日くらいなら持ちますしね。

蒸すときは下にすだれを敷きます。蓋にはふきんをかけて。ずっと湯気が出続けるようにするのが蒸すポイントですが、水分が茶碗蒸しに落ちないようにふきんは必須です。蓋をして3分蒸したら、湯気が逃げるように蓋をずらしてました。これもポイントでしょうか。

蒸している間にかれいの煮付けに取り掛かります。煮付けというのは中まで味は入らず、外側だけに味をつけて、中は白い状態で煮あげることを言うのだそうです。以前習った里芋の煮付けと同じです。切り身でもウロコをきれいにとってしっかり下ごしらえします。こんな身がプリプリしているかれい、近所のスーパーではなかなか手に入らないですね。。

煮汁には酒ではなくてみりんを入れます。しょうゆとみりんは同量にすると甘辛な味になるそうです。みりんには煮崩れを防ぐ役割もあるようです。酒を入れても美味しくなるそうですが、煮汁の味が強くなってしまい、魚の味そのものがわからなくなってしまうので、今回は入れないようです。写真は煮始めですが、汁の量は少なめです。魚はきつい火加減でさっと煮て、落としぶたをして少なめの汁の味を回すのが鉄則とのこと。いつも煮付けをするとき、レシピ通りにすると、煮汁はこんなに少なくていいのかなあと不安になって足したりしていたので、それでいいんだ、と確信が持てました。

そして煮あがりはここまで汁が少なめに。最後は魚に汁をかけながら煮詰めます。ここで汁が多すぎたら、魚は先に取り出して、煮汁を煮詰めるとのことでした。

今回はそうめんを入れるので、魚を取り出す前に茹でたそうめんを入れます。夏のあまりのそうめんを、普通に食べるのに飽きたら煮付けに入れると良さそうです。やっと少し季節感があることを書けました。。

そうめんを入れる前に茶碗蒸しが蒸しあがっていたので、温かさを逃さないように器に蓋をする土井先生。家でも作るなら、まずこういう茶碗蒸しにピッタリな素敵な蓋つきの器が欲しくなります。なんでも形から入るタイプです。

そうめんの方はさっと煮て味をつける程度で取り出されました。こちらも華やかな有田焼の器に盛り付けて。漆のお盆も素敵です。有田焼の派手な柄は、使いこなせる自信がないのであまり興味がなかったのですが、こういう見た目が地味な煮付けなどに使うとバランスよくなるんだなあと知りました。先生のように木の芽を飾りつければ、煮付けも一気に華やかになるのですが。しかし木の芽は高いので日常使いはできませぬ。

おまけの春の料理情報として、手に入りやすい野草・よもぎと使ったご飯を紹介してくれました。よもぎは柔らかいところだけを収穫し、熱湯で茹でてアクを取った後、水気を取って絞り、塩で和えておきます。それを炊き立てのご飯に混ぜるだけで、食卓が一気に春の香りに包まれるようです。今これを書いている季節が晩夏なので、ハズレすぎたことを書きすぎてつらいであります。後ろに写っているのはよもぎでなく三つ葉です。三つ葉やセリを同じようにご飯に混ぜても美味しいと先生は言っていた気がします(メモなし)。

いつもの白菜のお漬物とともに試食です。茶碗蒸しは優しい味でしたが、具がたくさん詰まっているのでおかずとして十分満足出来るボリュームです。かれいの煮付けは想像通りの美味しさでしたが、添えられたそうめんの美味しさにびっくりしました。お魚の旨味が染み込んだ煮汁の味が、淡白なそうめんをとても美味しいものに変えてくれていました。正直そうめんはあまり好きな食べ物ではなかったのですが、煮付けに入れればこんなに美味しく食べられるんだ、というのは新しい発見でした。最後の最後まで1つももらさず美味しかったです。そして、試食の時に思った以上に先生とお話できてとても嬉しかったです。他の生徒さんもほぼ土井先生マニアなので、先生の話が始まるととても盛り上がって、それも楽しかったです。

土井先生の料理のお稽古はまだ続いているようなので、機会があればまた受講したいなあと思っています。先生がどんどん有名になって、抽選のハードルもどんどん高くなっているので、そんな機会が巡ってくるかはわかりませんが…ひとまず楽しくて貴重な半年間の記録が出来て満足です。

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