2日目 その7 昭和なリゾートホテルと幻想的な森のテラスと
そもそもラベンダーと北の国からのイメージしかない富良野には自分的にあまり興味をひかれるものはなく、ホテルも高いので、美瑛の後はすっ飛ばして帯広に行こうかと考えていました。帯広には六花亭の本店があるし、安くておしゃれなホテルも見つけたのです。しかし北海道の広さは半端ない。移動時間がやはり長く、この旅行計画でいくと帯広での滞在時間があまり取れなそうでした。仕方なく帯広はやめて富良野に立ち寄ることにしたのですが、富良野に泊まるなら、新富良野プリンスホテルに泊まれないと、自分が富良野で数少ない興味のある観光地に行くのがキツいことがわかりました。しかし新富良野プリンスホテルはリゾートホテル。シングルルームなどあるはずもありません。2万円越えの宿泊費を見つめながら、富良野はやっぱりやめておくか…と思い始めた時、セール価格で予約できるサイトを見つけたのです。予算以内のラスト1室をゲットし、なんとか所望の新富良野プリンスホテルに泊まれることになりました。
新富良野プリンスホテルは富良野駅からは離れていますが、旭川、美瑛、富良野を結ぶバスであるラベンダー号の発着地点となっているので、車なし旅行でもアクセスしやすいのが魅力でした。バスに乗り込んでしまえば、ホテルの前まで連れて行ってくれるので安心です。バスは新がついてない方のプリンスホテルや近隣のホテルにも止まってくれるようでした。乗客は観光客ばかりかと思いきや、終点の1つ手前のバス停で、ジャージを着た女子高生と男子高生が一人ずつ降りて行きました。地元の人も使っているようです。しかしバス停の周りには外灯が1つもなく、ただただ暗闇が広がっていたので、彼らは住んでいる家まで無事に帰れているのだろうか…と余計な心配をしました。それくらい真っ暗だったのです。
バスはホテルの真ん前に止まり、降りてすぐにラベンダーの香りが広がるロビーに入ってチェックインできました。今日も1日長かったですが、やっと一息つけます。そして部屋はツインルームでとても広々としておりました。久々に寝る方とソファ代わりに使う方と贅沢なベッドの使い分けができるのであります。
ベッドとベッドの間のデスクはこんな感じで、こういう目覚ましとかラジオとか付いているサイドデスク久々に見たなーと思いましたです。昭和の香りがムンムンとします。
部屋に入ってびっくりしたのが、ドアのすぐ脇にある洗面所です。スペースが余っているから手洗い用として用意しているのかな?と思ったのですがバスルームには鏡も歯ブラシなどのアメニティを置いているスペースもなかったので、ここをやはり洗面所として使えということなんだと思いました。割と落ち着かない造りです。
バスルームはこんな感じです。バスタブは広いのですがユニットバスです。洗面所はなく、トイレ用の手洗いがあるだけでした。
ソファも一応あるにはあったのですが、ここに座るとテレビが見づらいので、やっぱりベッドをソファ代わりに使いました。ソファはキャリーケースを広げる台としてしか使いませんでした。テーブルの上に何か乗っている…と気づき近くまで見に行くと
てるてる坊主が作って置いてありました。さすが老舗のリゾートホテルならではの気遣いであります。
ベッドの向かい側にはデスクとテレビです。グレーの渋目のインテリアで、やはり昭和の香りがします…。新が付いている方とはいえ、ここもだいぶ施設が古いんだなあと思いました。
デスクの横にはお茶セットです。この日は特に寒さを感じなかったので、温かいお茶を必要とせず、使いませんでした。それより喉越しが良いものが飲みたい気分でありました。こちらもやっぱり同じ渋い色目のグレーの箱に入ってました。
デスクの一番下の引き出しが少し開いていたので何かと思って覗いてみたら、温泉着としてプリンスホテルオリジナルのスウェットが入っていました。そう、このホテルには温泉があり、宿泊客は無料で利用出来るのです。しかし部屋のある建物とは違う棟にあるため、温泉から出た後にこれを着てまた部屋まで戻って来てねってことみたいでした。バスタブ広いし行くのが面倒だからと思って温泉には入らず、このスウェットも着ませんでした。まあバーゲン価格で泊まっているので利用しないサービスがたくさんあってもいいのです。
しかしわざわざフロントに電話をして、浴衣はお願いしてしまいました。お部屋のみの利用となりますよ(温泉行った帰りに着ないでね)と念を押されましたが、バスローブ代わりに使う目的で借りたので問題ありませぬ。
荷物を置いて一息ついたところで、ホテル内の散策をしました。ロビー階まで降りて売店を通り過ぎ、階段を降りたら温泉がありました。部屋からまあまあ遠かったです。やっぱり温泉の利用はやめとこ、と思いました。
温泉を通り過ぎてホテルの外に出ると、向かい側に「富良野・ドラマ館」がありました。ここもプリンスホテルの敷地内のようです。富良野を舞台にした作品を作っている倉本聰作品にちなんだお土産品などを売っているようでした。
田中邦衛がいつも着ていたと思われるこの作業着?も売っていました。結構高かったです。あとお店の中で1番真ん中の位置に「子供がまだ食っている途中でしょうがラーメン」が積んでありましたが、ドラマを見ていないので面白さがわかりませんでした。このラーメンのセリフが聞けるのは84年シーズンのものだというし、若い人が倉本作品を熱心に見ることは多分ないだろうし、聖地巡礼する観光客は年々減っていっているのではとネガディブなことを考えてしまいました。倉本作品を見て富良野に訪れる人はああいう昭和のインテリアが落ち着くから特に改装とかしていないのかな、などとも思ってしまいました。
建物の雰囲気はとても良い感じです。建物自体も何かのドラマで使われていたとかなのでしょうか。窓から漏れる明かりが温かく感じられます。
ドラマ館の隣にはニングルテラスというショッピングエリアがあります。ここはお昼よりも雰囲気があって良いと聞いたので、ぜひとも夜に訪れてみたかったのです。プリンスホテルに泊まる以外で夜に行ける選択肢がなかったので、泊まれてよかったなーと思いました。
中に入ると森の中に小屋が点在しており、それぞれの小屋で手作りのお土産品を売っているようでした。確かに明かりで照らされた木の歩道を歩いていくと、辺りは森で囲まれて真っ暗なのに、ここだけろうそくの炎のように光を灯っていて、幻想的で雰囲気があります。
歩道もアップダウンがあって、ちょっと迷路みたいなところもあります。探検気分で夜の散歩ができます。
各小屋には雑貨や工芸品を作る作家さんが在中していて、作品を制作しながら販売している方もおりました。全体的にファンシーテイストで個人的に好みのものはなかったのですが、どれも丁寧に作られた品ばかりで、こういうテイストが好きな人には、施設全体の雰囲気も相まって、とても楽しいお買い物ができるのではと思いました。
周りの小屋より一回り大きいチュチュの家は、喫茶店のようです。まだ営業していたのでコーヒーを飲んだりしてみようかとも思ったのですが、早く部屋に帰りたい気分になったのでやめました。
帰りに売店に立ち寄って部屋にいた時から欲していた喉越しの良い飲み物を探しました。コンビニで140円で売っていそうなお茶も、リゾート地のホテルの売店価格で萎えましたが、道民が大好きな飲み物として噂のカツゲンを発見したので買ってみました。超甘いヤクルトみたいな味です。甘さで喉越しの良さは2割減でしたが、噂の飲み物を飲めたので満足しました。
サービスの具合といい、雰囲気といい、自分の親世代が泊まるのに最適だなあと感じたこのホテルですが、特に至れり尽くせりと思ったのはテレビのチャンネルを選ぶこの画面です。どのローカル局がどのキー局と紐付いているのか()内で教えてくれるのです!旭川のホテルでは何度もチャンネルを変えて確認してたので、これは助かるなーと思いました。それで気づいたのですが、北海道のテレビは首都圏で見られるテレビと全く変わらないのです。岩手とか青森に行った時は見られない局が数局あった記憶があります。。旅行中見た程度の感想ですが、東京で見られるテレビ番組に大泉洋(及びTEAM NACS)をプラスしたのが北海道のテレビと考えておおよそ間違いはないと思われます。
広い部屋とベッドでぐっすり眠った後は、少し早起きをして富良野の観光地を巡ります。