3日目 その10 夜とパフェとアマレット

ガラガラの札幌市電にゆらゆら揺られて、ようやくすすきのに到着しました。時刻はもう10時半となっておりました。でも、すすきのの夜はこれからと言わんばかりの人の多さで、キラキラ輝く電飾に照らされながら、あちらこちらで楽しそうに騒いでいる人たちでいっぱいでした。本当に新宿の歌舞伎町あたりよりも活気があるのではという勢いで、歩いているだけで疲れました。でもすすきのといえばこれ!のNIKKAウイスキーの電飾だけは観光客らしく、しっかり撮っておきました。

お酒を飲まない自分にとって、旅先でこの時間まで街をふらついているということがとてもレアな状況であり、正直もうホテルに帰りたい気持ちもふつふつ沸いてきていました。しかし、それよりもやはり夜パフェを食べずにこの旅をシメられない!という強い気持ちが勝り、すすきのの街をパフェ専門店を探してさまよい歩きました。とりあえすここへ行こうと決めたお店がなかなか見つからず、周辺をぐるぐるぐるぐる回ってしまいましたが、ようやく雑居ビルの1階にこの看板を見つけました。えー、こんなビルの中にあるの?という雑居具合で、1度キョロキョロしながら通り過ぎてしまい、見つけられなかった理由がよくわかりました。

さびれたエレベーターを6階まで上がると、すぐに目的のお店、パフェテリア・パルが目に入りました。ウッディでナチュラルで、いかにも雰囲気のよさげなカフェがひそんでいそうな内装の前には女子が5,6名並んでおりました。こんな時間なのに行列…とテンションを下げましたが、金曜の夜、飲んだ後にシメるといえばこの時間からか…と気づいたのでおとなしく行列に並ぶことにしました。きっと周辺の夜パフェのお店もこんな感じに違いないと思いましたです。他にも気になるお店はあったのですが(特に佐藤)、泊まっているホテルから近いのと、席数が他のお店よりも多めだったのと、シメパフェを始めたのはこのお店が最初らしいという情報を得たのでこちらに来てみました。しかしこの旅から帰ったあとに渋谷に支店ができたらしく、佐藤に行けばよかったかもと少しだけ後悔しました(渋谷にできてもどうせ行かないのだけど)。

10分以上は待つ覚悟でしたが、5,6分で運良く中に入れました。カウンター席のお一人様が帰られたので、先に行列に並んでいる方々より先に中に入れてもらえたのです。カウンター席に案内されるとお隣もお一人様でした。思ったよりも小さな店内はざわざわ騒がしくて落ち着きはありませんでしたが、他にもお一人様の方がいたので、誰かと過ごすためではなく、純粋にパフェを楽しみに来ている人も結構いるんだなと思えたので、ぼっちでも気にせず過ごせました(そもそも気にするつもりはないのは置いといて)。


メニューはこんな感じで構成をイラストで描いてくれていたのでとてもわかりやすかったです。実際のメニューは店内が暗すぎてきれいに撮れなかったので、これはお店の外の行列するところに貼ってあったやつを撮りました。どれも構成は凝っていてパフェの隙間を埋めるような無駄なアイスクリームやゼリー、コーンフレークの類は使われておりませんでした。この日は7種類、値段はほとんどが1250円、一部1500円とふつうのレストランで食べられるパフェの価格と比べるとなかなかのお値段でしたが、まあこの値段にはなるよねと思いました。

+250円のドリンクセットにして、コーヒーを飲もうと思っていたのですが、選択肢の中にアマレットがあったのでアマレットカフェにしてしまいました。他にもワイン、スパークリングワイン、リキュールカクテルが充実しており、ドリンクセットはかなりお得だと思いました。ここなら「スイーツ<酒」の人も誘いやすいです。リキュールの中で一番好きなアマレットはアーモンドと甘い風味が漂い、コーヒーとは最強の組み合わせです。ゆっくり飲んでパフェがやってくるまでのひとときも幸せに過ごせました。このお店のキャラクターなのか、おしぼりにプリントされているバクがかわいいです。

そして10分くらいたってようやくパフェがやってきました。選んだのは「ベトナム産カカオとルバーブとグリオットのパフェ」です。1番好きなパーツがつまっているやつにしました。1番上のアイスがカカオニブ入りミルクジェラート、その下の赤いのはグリオット=チェリーのソルベ、その下はアーモンドプラリネが散らされたコーヒークリーム、その下がカカオニブ入りのメレンゲとなっております。そして写ってないけれどグラスの中にもルバーブのコンフィチュール、ぶどう、グリオットムース、カカオニブのクロッカンが層をなしておるのです。1つもパーツがかぶっていないのがすごいです。カカオニブやコーヒーが使われているものは苦味や風味がしっかりきいており、ルバーブやグリオットにはすっきりとした酸味がきいていました。正直、ところどころ一体感がないものもありましたが、どのパーツもちゃんと作られていておいしいので、食べ終わってとても満足できました。アマレットカフェとこのパフェの組み合わせもなかなかよかったです。

食べる前に2枚くらい写真を撮り、どちらもブレていたのですが、まあ店内が暗いからしょうがないよね、と開き直ってすぐに食べ始めてしまいました。ふとお隣の方は自分よりもだいぶ先に来ていたのに、こちらが食べ始めていてもまだかなり良さげなカメラで写真を撮っておられることに気づきました。SNSやブログにプロみたいな美しい写真をあげる方がいるけど、こういう方なのかなと思い、食い気が先にたってブレた写真でもよしとしてしまう自分を反省しました。と同時に早く食べないとアイスが溶けてしまうのでは…そろそろ食べてあげたほうが良いのでは…と思っている自分もおりました。2枚だけしか撮らなくても、完璧な写真が撮れるスキルがあれば万事解決と思いました。

パフェを食べ終え、アマレットカフェをゆっくり飲み干してお店を出ました。もう日付が変わる時刻が近づいておりましたが、すすきのはまだまだ騒がしく人であふれていました。まだ終電の時間にはなっていなかったので電車にのって帰ろうと思っていたのですが、調べてみたら歩いて帰っても9分だったので、今日1日のおそろしい摂取カロリー総計を少しでも燃やすために歩いて帰りました。そのうち人気がなくなってこわい夜道になったりするのかなあと怯える気持ちもありましたが、最後まで人気がとだえない明るい道を行くことができたので精神的にも楽勝でありました。そして中島公園周辺にやたらビジネスホテルが多い理由もわかりました。すすきので接待したあと、タクシーで1メーターで帰れる距離なのです。酔っ払いやいざこざを起こしている人も特におらず、お店やコンビニの灯りに照らされた明るい道を歩いてスイっとホテルに帰って来ました。

ロビー横のエレベーターを待っていたら、さすがに今日1日の旅の工程の疲れがどっと出てグロッキーになっていました。ふとエレベーター横にある画面が変わる電光掲示板を見ると、「ナノケアスチーマー無料貸し出し中!」の文字が目に入りました。え!そんなサービスあるの?!と急いでフロントに行ってお尋ねしたら、さらっとスチーマーをカゴに入れて貸してくれました。部屋に戻ってお風呂前後にスチーマーでミストを浴びながら1日のお肌の疲れを癒やし、大泉洋を見ながら札幌の夜も更けていったのでありました。

明日はついに最終日、全国8位の朝食を楽しみにしながら眠りにつきました。

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