4日目 その4 六花亭@札幌本店でおやつ、そしてトボトボ去る
外観からはここにお菓子屋さんが入っているとは全く想像できないビルの中にある六花亭札幌本店です。回りもビルだらけで車線の多い前の道路には車がびゅんびゅん走っています。完全にオフィス街です。
しかしビルの中を一歩入ると、広々とした空間にカラフルなパッケージのお菓子が並ぶ、いつもの六花亭が現れました。他の六花亭よりも若干狭いかなという気もしないでもなかったですが、商品の取り揃え具合は1番良さそうに見えました。買い物は後ですることにして、さっそく喫茶室へ入ろうと2階に上がりました。
2階に上がるとすぐ目の前に、背の高いテーブルが並べられた空間があり、そこで立ったままお菓子を食べている方が2,3人おりました。ここは立ち食いスペースなのか、と思い横を見ると、何品かのお菓子とコーヒーや紅茶などを販売しているカウンターがありました。何が食べられるのかなー、と気になってメニュー眺めていたのですが、その前に佇んでいた店員さんと目が合い、喫茶の利用なのか(立ち食い)イートインスペースの利用なのかを尋ねられました。店員さんは奥に喫茶室に案内するためにそこに待機していたようです。歩き疲れた足を座ってゆっくり癒やしたかったので、喫茶室を利用する旨お伝えしたら、すぐに案内してもらえました。札幌店の店員さんは落ち着いて少し高級感すらあるお店の雰囲気にぴったりの高貴な感じでしたが、笑顔で接してくれた今までのお店の方と違って、丁寧なんだけど少し怖いと思ってしまいました。銀座のデパートでちょいお高めの化粧品ブランドのBAさんと話したときのような気持ちになってしまいました。緊張。
まだあまり人がいなかったので、窓際の1番気持ちが良いテーブルに案内してもらえました。六花亭の包み紙のイラストの野花柄クッションカバーがかわいすぎて、緊張していた気持ちが和みました。
隣の椅子のクッションは野花が映える白地の布で、さらにかわいかったです。でも汚さないようにとても気を使ってしまうであろうと思いました。よくよく店内を見回すと、壁も白ならテーブルと椅子も真っ白で、かろうじて床だけは薄いグレーでした。四方白いおかげでとにかく明るくて清潔感はあったのですが、この空間にくつろぎが感じられず、再び緊張感が蘇ってきました。照明が暗くてウッディーで、ソファやクッションの色がダーク系のカフェの方がお茶を飲みながらくつろぐ気分になれます。しかしここはよく考えたらカフェと言う名称ではなくて喫茶室でありました。喫茶室はお客さんがくつろぎすぎて必要以上にダラダラされて回転が悪くならないように、ほどほどの緊張感を盛り込んだ空間設計にしているのかもしれません(いや多分そんなことはないけど)。
メニューのページをめくるとまずお食事メニューが飛び込んできました。このピザがお菓子屋さんのレベルを超えてとてもおいしいと聞いていたので、ぜひとも食べてみたかったのですが、ピザでまたお腹をいっぱいにするとお菓子が食べられません。絶対チーズがたくさん使われているやつ美味しいよな…と写真を見つめながらも、あきらめてページをめくりました。
一通りページを見たのですが、食べたかった生ケーキがショートケーキしか見当たりません。そういえば売り場のショーケースに生ケーキがあるかチェックしてこなかった…と気づきました。店員さんが注文を取りに来たので、「生ケーキが食べたいのですが、ショートケーキ以外は無いですか?」と尋ねてみました。「ショートケーキ以外は無いです」とはっきり答えられてしまいました。まだ開店して1時間くらいしかたってないから、生ケーキはまだ用意できていないのかなと思い、生ケーキ以外のお菓子3品とコーヒーを注文しました。
そして最初にお菓子2品が来ました。マルセイアイスサンドとサクサクパイです。どちらも特定の喫茶室でしか食べられないやつです!もちろんお持ち帰りもできませぬ。入り口横にある立ち食いスペースでは提供していたので、喫茶室に寄れない場合はそちらでサクッと購入することはできるようでした。
とても食べてみたかったマルセイアイスサンドは、アイスクリームにホワイトチョコとラムレーズンを入れて、クッキーでサンドしています。それほど大きくないのですが、2段重ねなので少し口は大きめに開けなければならないかもしれません。はさみたてなのでクッキーはとてもサクサクしているし、ラムレーズンが溶け込んだアイスクリームは、口にいれるとなめらかになってクッキーの食感がアクセントを加えてくれます。おいしいし求めるレベルの甘さはあるのに後味はさっぱりで最高です。
サクサクパイもアイスサンドと同じく、パイ生地のサクサクさを守るために喫茶室またはイートイン限定のメニューとなっているお菓子です。コルネ型のパイの中につまっているのはふつうのクレームシャンティぽかったですが、そもそも北海道のとれたて生クリーム(たぶん)なのでコクや味わいが違います。クリームの水分を吸って少しシナっとなっているパイも嫌いじゃないですが、口に入れるとさっくりほろほろになるパイ生地に濃厚生クリームがからみあっていく味わい絶妙です。シンプルな組み合わせだけど素材がよければこれほどおいしさがアップするんだなーと思いました。
3品目のマロンパイと一緒にやっとコーヒーがきました。最初に2品きたときからずっと待っていたのですが、なかなか来ないので溶けそうなアイスサンドは先に食べてしまいました。でもサクサクパイはどうしてもコーヒーを飲みながら食べたかったので、次のマロンパイがくるまで一口だけ食べて残して待っていたのであります。そんなお預け状態だったので、ちょうど近くに来た店員さんに「コーヒーを持ってきてもらっても良いですか?」と要求してしまいました。これで一安心と思ってしばらく待っていたのですが、コーヒーがやってくる気配はなく、お客さんは店内に5、6組しかいないし、入り口に2,3人店員さんもたまっているし、全然忙しくなさそうなのにコーヒーが来てくれないのはなぜだろう。。と、とてもモヤりました。再び近くにいた別の店員さんに同じ要求をしてしまいましたが、その店員さんがすぐに謝ってくれてお持ちします、と言ってくれたのでモヤッと感はかき消すことにしました。ハンドドリップで入れてくれているので時間がかかっていたのに違いない思いこむことにしました(多分そんなことはない)。そしてマロンパイと一緒に本当にすぐ持ってきれくれました。
マロンパイは生ケーキが食べられないとわかったときに目に入ってきたので、気持ちを穴埋めるためにとっさに注文してしまいました。よくよく考えたらサクサクパイとパイ生地がかぶってるので、ちょっと失敗したかなー、と思いました。でも小ぶりでクレームダマンドがつまったパイの中に、大ぶりな栗の渋皮煮がおしげもなくごろんと入っているのを見て、これはこれでいいかー、と思えました。少し温められているパイととろりとしているダマンドにほくほくの栗、しっかり甘くて美味しかったです。コーヒーもすすみました。
喫茶室で甘いものを補給して足を休めたあとは、1階におりて買い物開始です。本当はお菓子は新千歳空港で最後にまとめて買おうと思っていたのですが、先程ちらっと覗いたときに新千歳空港では販売していない商品に親切に札をつけてくれていたので、ここで買わないといけない物がいくつかあることに気づいたのです。お菓子を買う前に、壁に喫茶室で見たクッションカバーが展示されていたので吸い寄せられてしまいました。値段の表示がないので、これは買えるのかなーと眺めていたのですが、近くにいたマダムが店員さんに尋ねていたので盗み聞いたところ、お値段は1500円とのことでした。そしていまは在庫が水色のものしかなく、お取り寄せになると言われておりました。買うなら白地のやつがいいし、お取り寄せするほどではないのでやめておこう…とは思いましたが、いつかこれコンプリートしたいなという気持ちにもなりました。
そして初日から恋焦がれていたカンパーナふらのが普通に札幌店に売っているのを見て衝撃を受けました。旭川と富良野の店舗限定じゃないのか…あれだけ手に入れようと躍起になっていたのに、札幌でも普通に手に入るのか…とがっくりきましたが、当然購入しました。
中身はこんなふうです。パーナのぶどう畑でふさふさしていたぶどうの粒たちが、こんなふうにホワイトチョコレートでつつまれて手元にあるなんて不思議な気持ちです。パッケージにぶどうの種に気をつけるように注意書きがありましたが、ほぼすべてのぶどうに種が入っているのは想定外でした。食べ慣れてきたら種はあまり気にならなくはなりました。断面アップの写真、ブレブレだな…ブレブレでわかりづらいですがぶどうは本当にフレッシュで瑞々しかったです。ホワイトチョコの甘さが強いせいかぶどうは酸味の立った味でしたが、この甘酸っぱさが新鮮で癖になりました。またシーズンがやってきて手に入る機会があれば購入したいです。
そして今回の研修旅行で1番手に入れたかったのがこれです。□△○と書いて「まるさんかくしかく」と読む…順番逆じゃないかと思いましたがこれで正解のようです(オンラインショップで確認)。四角い缶がパッケージ名が書かれた薄紙に包まれています。
薄紙をそっと剥がして蓋を開けると、中には9種類のお菓子がつまったおりました。色合いや大きさにバリエーションがあって見た目も楽しいです。三角の要素が真ん中のチョコがけ箇所しかないことは気にしないことにします。クッキーだけではなくて、トフィーやアーモンドチョコレートなども入っているのです。
9種類をお皿に出してみました。
ピンクで四角い苺クランチチョコは甘酸っぱいイチゴチョコレートにさくさくのパフが入ってます。いちごは本当にいちごを感じる風味です。この中で1,2を争うくらい気に入りました。六花亭のチョコレートはフルーツものならちゃんとフルーツのピュレが入っている味がするので好きです。
小さい丸のバタータフィーはとても薄く仕上げられていて、ナッツがいっぱいつまってます。スナック感覚でぱりぱり食べられるお菓子です。
クロッカンは小さいマカロンのような形をしているやつです。卵白と砂糖でできている、シンプルだけど手が止まらなくなる食感の良いお菓子でした。
中央で三角にチョコがけされているくるみクッキーはくるみの風味がたっぷりつまっていてクッキーのサクサク感が一番感じられました。チョコレートは飾りかなと思いましたが、くるみとチョコレートの味のバランスが最高でした。
「ありがとう」と名付けられたホワイトチョコとアーモンドクッキが合体したクッキーも美味しかったです。とにかくチョコレートが美味しいのであります。
スライスアーモンドが入ったココアクッキーは実はコーヒー味でこれもサクサク目、コーヒーの風味もしっかりありました。
アーモンドをミルクチョコでコーティングしているアーモンドヤッホーはコーティング状態がとても美しく、手動でコーティングするともっとガタガタなんだよなーとうっとり眺めながら食べました。
苺クランチチョコと並ぶくらい見た目が鮮やかなカラーの抹茶ラングドシャは、味も苺クランチ同様1,2を争うおいしさです。薄い抹茶のラングドシャの間にホワイトチョコがはさまれています。抹茶とホワイトチョコは本当に合います。
唯一ハマれなかったのは見た目が1番シンプルで塩味のチーズクッキーでした。チーズクッキー自体はとてもおいしいのですが、この缶の中の他のお菓子と一緒に食べると塩味が負けてしまうのです。この缶とは別に単独で食べていたら最初から気に入ってたと思います。最後まで手がつけられず残っていたチーズクッキーだけ食べたらとても美味しいと感じました。
中のクッキーやチョコレートも食べてみたかったのですが、1番欲しかったのはこの四角い缶だったりします。しかし購入してから、この缶が密封タイプでないことに気づきました。そのため湿気が大敵のタフィーとクロッカンは早々にサクサク感が消え失せてしまい、慌てて食べきりました。なぜ蓋をかぶせ形式にしてくれなかったのだろう。。上にふわっとのっているだけなので、すぐに取れてしまいます。おやつ入れにしたかったですが、密封できなければあまり使えなさそうです。確定申告の領収書入れとしか活用できなさそうでとても嫌です(そういう役目はヨックモックのシガレットクッキーの缶におまかせしたい)。
その他空港ではバラ売りでお菓子が買えないということだったので新婚さん向けの土産に「おふたりで」も買っておきました。中は抹茶とモカのダックワーズです。以前食べておいしかったので安心して買いました。小花柄の缶にハートのチョコレートが入っているやつも空港では買えないようだったのでここで買っておきました。
以前通販のおやつ屋さんを1年くらい取っていたので、お菓子はほとんど食べたことがあるやつでしたが、これは食べていなかったのでバラ売りで買ってみました。「この道は いつか来た道」というかなりポエム臭を感じさせる名称を付けられたパイサンドです。オンラインショップで見たところ「いつか来た道」が正式名称で「この道は」はサブタイトルのようです。どうでもいい 以前から「霜だたみ」というカプチーノ風味のクリームがはさまった絶品のパイサンドがあるのですが、それのレモンチョコクリーム版でした。マルメロという甘酸っぱいフルーツのゼリーとアカシアはちみつも入れられているようで、とても爽やかなお菓子でした。何よりもパイがサックサクで美味しいのです。1個だけじゃなくて、もっと買えばよかったなー、と後悔しました。
これらの欲しかったお菓子をたくさんカゴに入れて、ホクホクした気分でレジに行ったのですが、レジの横にある生ケーキのショーケースにぎっしりケーキが並べられているのに気づいてしまいました。あれだけきっぱり喫茶室の店員さんが、他に食べられるケーキはありません!と言っていたので、これは持ち帰り専用でもしかしたら上で食べられないのかな、と思い、レジを打ってくれている店員さんに、「こちらのケーキは喫茶室で食べられないですか?」と聞いてしまいました。「いいえ、お召し上がり頂けますよ」と答えてくれたので、あ、自分が喫茶室にいたときはまだ用意できていなかったパターンのほうか、と思い「開店したときにはまだ揃ってないのですかね」と聞いたら、不思議そうな顔をして「いえ、開店時には全種類並べておりましたが」と答えられてしまいました。じゃあなぜあの店員さんはあれだけきっぱり言ってきたんだ。。。とまたモヤモヤした気持ちが沸いて出てきてしまいました。この値段が控えめの生ケーキの味を確かめることも旅の目的の1つであったのに。。滅多に来れないのに。。モヤッてたら店員さんが不思議そうな顔をしたままなことに気づいたので、喫茶室でこのケーキを食べられると案内してもらえなかったことを愚痴ってしまいました。その店員さんは良さそうな方だったので謝ってくれましたが、この方は全く悪くないのに負債を押し付けられて可哀想と思ったので「いえいえいえいいです。すいません。」と言い、逃げるようにお店を去りました。がっかりした気持ちのままでしたが「また北海道に来る理由が1つできたからいいや。。」と自分を励ましながらトボトボ歩きました。でも正直札幌本店の喫茶室は好きになれないと思ってしまいました。
次もトボトボ歩きながら札幌の街を引き続きウロウロします。