Day5 その6 リバティとストライプと串刺しチキン、そしてトラブル London2016

カフェでぼーっとした後は、再びバスに揺られて街中まで戻ってきました。バス停の近くにLIBERTYがあったので、せっかくだから覗いて行こうと立ち寄ってみました。建物自体もとてもかわいいです。花柄の布でもおなじみのリバティ社が経営しているのですが、リバティの布地だけを売っているわけではなく、ロンドンのデザイナーズを中心に扱った高級百貨店のようです。

リバティの紋章?も凝ってます。そしてやはりお花が垂れ下がって咲き乱れ、建物を装飾しているのです。

1階の入り口はお花屋さんでした。この細長いバケツがスタイリッシュですのう、と思いながら近づき、値段を見て仰天。写真にはないんですが、日本だったら380円くらいで売ってそうな白い小花が5本くらいの束が20ポンドだったのです。当日のレートで2800円くらい。とりあえず「ハァ?」って花を傾けながら首をひねりました。しかし他の花もフラワーマーケットで見た値段から、およそかけ離れた金額を付けられています。この時点でもうこのデパートが好きになれない気持ちがパンパンになりました。しかし中も一応見たいという気持ちが抑えられず、とりあえず流し見しようと中に入りました。

1階は文房具屋コスメ、2階がデザイナーズブランドの服、3、4階がリバティの布や雑貨売り場のようでした。文房具売り場であつかっているノートやボールペン、付箋紙、レターなどなど、置いてあるものすべてがかわいかったので、わあ、さすが一流のバイヤーが選んだと思われるセンス、と感激したのですが、値段を見てすぐに萎え萎えになりました。ボールペン1本3000円とか。各ブランドのコスメカウンターの椅子の布が全部柄違いのリバティでうおー!かわいい〜〜!とテンション上がりましたが、ワゴンに雑に投げ入れられた石鹸の値段が4800円。いやこの値段だったら棚に並べろよ…棚に美しく並べられた商品の値段を怖くて見れないよ…いつしか値段を見なくなりました。そして何を見ても予想より遥かに高いと思うと、商品を見るのも嫌になってきました。しかし建物内部のインテリアは予想どおりとても素敵で、エレベータもありましたが、階段の造りがとても好ましい感じだったので4階まで階段で上がりました。照明のデザインもクラッシックで素敵。

建物の中心部が吹き抜けになっているのも素敵です。建物を見るだけの価値もあるし、並べられている商品は抜かりなくかわいいので、目の保養にはなりました。リバティの布を使って作る雑貨キットや食器などもかわいかったです。こんな高額な商品ばかりを売っている百貨店でも、商品をどっさり購入しているアジア人母娘などを何人か見かけました。100%チャイナの方でした。昔はこういうところでバカ買いしているのは同胞の方々と相場が決まっていたのですが、一切見かけなかったので、日本て本当に不況なんだなと思いましたです。買っている人どころか、観光している日本人なんて本当に2、3人しか見かけなかったしな。ここで買い物することはないと思っていたのですが、1階の出口のそばに扱い良さそうな缶入りクッキーやチョコレートを置いているお菓子売り場があって、それらは他の商品と比べると妥当な値段だったので、お土産買うのには良いなあと思いました。パッケージのデザインも女子が大喜びしてくれそうなかわいいものばかりでした。スーパーでお土産を買い揃えてしまい、もうスーツケースに入れる場所がなくなってしまい買えなかったことを少し後悔しました。

さてLIBERTYで何も買えない貧乏人メンタルを痛めつけられた後は、おそらく買えるものがたくさん売っているスーパーに立ち寄りました。すでに前日スーパーマーケット巡りはしておりますが、ロンドンのスーパーといえばで有名なMarks&Spencerにまだ行っていなかったのです。近くに大型店舗があったので行ってみました。1階、2階は衣料品売り場で、マダム向けの洋服しかなかったのでざっと見るだけでスルーしました。食品や雑貨は売ってないのかなあと思いましたが、地下に行くエスカレーターをようやく見つけ出して食品売り場にたどり着きました。果物や野菜はやっぱりパック詰めされておりました。イギリス人はカレンツやラズベリーを大量に使ってジャムを作るイメージがあったので、安いのかなあと見てみましたが、日本で買うのとあまり変わりませんでした。物価が高くて厳しい。M&SにもWhiteRoseで見つけたようなオリジナルの美味しそうなチョコレート菓子やクッキー・ケーキ類があったので、食べ比べしてみたかったのですが、もうスーツケースに隙間がないので諦めざるを得ませんでした。並べられている商品のパッケージなどを見るとスーパーのヒエラルキーはWhiteRose>M&S>Sainsbury’s>Tescoかなと思いました。WhiteRoseとM&Sは同じくらいかもしれない。

食品売り場の奥に分け入ると、まさかのインテリアと雑貨コーナーがありました。1階や2階にあるのではと思って探していたのに、見あたらないので諦めていたのです。しかも置いてある商品が、多分マダム向けなのに、スーパーに置いてあるものと思えないかわいさです。やっぱり自分の中ではイギリスのガーリーが最強です。そして値段もLIBERTYで感じた痛みを忘れるほどのお手頃価格。そんなに広い売り場ではないですが、隅から隅まで見てしまいました。この辺はラデュレな色合いの花柄小物入れコーナー。パステル調のくすんだ色合いでやり過ぎ感がないのが素敵です。

食器やキッチン道具なども充実していました。紅茶や粉物などを収納するブリキ缶が、細長くて並べやすそうで心惹かれました。値段も買える!って感じだったのですが、やっぱりスーツケースの隙間問題で購入には至らず。

ベッドリネンなども充実しておりました。やり過ぎ一歩手前のシノワズリ感がツボです。ニトリやIKEAよりは少し高いくらいの値段設定でこちらもお手頃でした。

そしてM&Sで唯一購入したのがこのエプロンです。お店に入ると料理人たちが、みんなこのストライプのエプロンをしていたので、とても欲しかったのです。お菓子作る時愛用してます。2枚欲しかったけどラスト1枚しかありませんでした。サイズも異国サイズの長め丈なので最高です。M&Sのインテリアコーナーがこんなに良いとは、穴場でした。

さて、この日のラストを締めくくる食事は、このロンドン旅のラストを締めくくる夕食でもあります。最後はレストランに行きたいと思い、地下鉄を乗り継いでHoney&Co.までやってきました。最近中東系のスパイスの効いた料理が気になっているのと、カフェみたいで入りやすそうだったの決めました。周りはオフィス街のようで帰宅する人々とたくさんすれ違いましたが、このお店は夕食の時間帯も満席で、流行っているようでした。

テーブルは満席でしたが、窓際のカウンター席は空いていたのですぐに案内してもらえました。店内はこんな感じです。レストランと言うよりは本当にカフェっぽく、カウンターはみんな一人で食事をする人だったので、居心地悪くなかったです。だいたい夜にレストランに一人で行くと、頑張って注文できるのが2皿くらい、しかもお酒を頼まないので、なんとなく肩身が狭いのですが、ここは大丈夫でした。

メニューです。英語が堪能ではないのに小さい字なので読むのが辛かったです。コースは食べきれる自信がなかったので、前菜&メインにしようかなと思ったのですが、隣のお一人様がメインを1品だけ頼んでたので、真似してメインだけにしました。しかもお酒も頼まず無料のお水を頼んでいたので、それが許されるのか…!と自分も水だけにしました。メイン1品でも税その他込みで2500円くらいするので、ロンドンの外食は辛いんです。メインは鶏、ラム、うさぎ、イワシ、ベジメニューの5択でした。「ザクロとモラセスチキン」という文字列を見て、茶色く焼き付けたチキンとザクロという組み合わせが想像されましたが、味が想像できず、未知の世界に挑戦したい気持ちになったので、鶏にしてみました。パンとかピタも頼もうかと思いましたが、説明を読むとご飯ぽい穀物も添えられてそうだったのでメインだけでいっか、と何も追加はしませんでした。

そして10分ほどでやってきたのがこれです。鶏、串にささっとる!そして想像していたよりも黒こげてる。まあモラセスといえばこのくらいの色合いだよね、とは思いました。下にはご飯のような何らかの穀物が敷かれ、やっぱりパンとか頼まなくてよかった、と思いました。全体的に茶色い料理に、ザクロの赤い色がアクセントになっていて見た目は悪くないです。

早速お肉を串から外して食べてみました。柔らかい。焦げはカリッとしています。でも味付けはそれほどスパイシーでもなく、普通です。食べやすいといえば食べやすいですが、変わった美味しさを期待していたのでちょっとがっかりしました。脂っこさがないのでヘルシーではあると思います。下の穀物はサラダのドレッシングのようなもので和えられていて、さっぱりしていて食べやすいです。ローストしたピスタチオで香ばしいナッツやザクロのほんのり酸っぱい味でまあ美味しいです。でもお肉の量もそんなにボリュームないし、これだけでお腹いっぱいにするには厳しいなと思いました。しかし外が暗くなってきたし、店内も混んできて落ち着かなくなってきたので、追加注文はせず、帰ることにしました。あまり遅い時間に帰ると、何かトラブルがあった時に夜遅くに駅からの寂しい夜道を一人歩きすることになるので、それを避けたかったのです。日本のようにタクシーが駅前に止まっているということはないので、異国では早い時間に帰ることが女子一人旅の鉄則であります。次来ることがあれば前菜とデザートも頼むか、と思いつつお店を去りました。

しかし。まさかその思いがフラグとなるとは思いもよりませんでした。地下鉄に乗っていつものように国鉄の駅まで行くと、見たことがないくらいの人々が改札前に集合してどやどやしています。何か事故でもあったんだろうか…と空気で気づけるくらいの雰囲気です。とにかくいつものように改札の中に入って聞くしかない、と駅員さんに「この駅に行きたいんだけど、どのホームから乗ればいいですか?」と聞くと、「知らねぇよ!!」とすごい勢いで怒鳴られたのです。知らない…と言われても…どうしたらいいの??と困って「電車が動いてないんですか?」と聞くと、また何かわからないのですが怒鳴られました。他の駅員さんに聞こうと周りを見回してもその人以外おらず。仕方なく「どうしたらいいかわからなくて困るんです。どうしたらいいか教えて下さい」としつこく食い下がると、とにかく「改札の外に出ろ!!他の乗客みたいに外で確認しろ!!!」と怒鳴り締めされてその場を去って行きました。最初から外に出てください、って普通にいえばいいじゃん…とショボンとしながら改札を出て、他の乗客が何を見ているのか観察しました。そして20分くらいじっと観察して、ようやく改札上の電光掲示板に、その電車が止待っているホームと止まると思われる駅名がずらっと表示されていることに気づくのです。ああ、ああ、そういうことか。。。とやっと国鉄の仕組みに気づきました。止まるホームも止まる駅も電車の運行状況によってコロコロ変わるから、必ずこの掲示板を確認してからでないと改札の中に入れないみたいなのです。やっと仕組みに気付けました。誰か教えてよ。地球の歩き方にも書いてなかったよ。。しかし気づけたは良いのですが、ほぼすべての電車にdelayの文字が躍っております。発車するはずだった電車も表示が変わってすぐにdelay。しばらく待って、もしかして、このまま帰れない?タクシー探したほうがいい?と思い出した時に、最寄駅の発車ホームが表示されました。やったー!と目的地が同じと思われる乗客たちと改札に駆け込みました。

電車がしばらく発車しませんでしたが、10分くらいしてようやく発車しました。窓の外の風景を見ながら、ホッと一息つきました。どうなることかと思ったけどやっと帰れる…しかしこれだけでは終わりませんでした。

いつもロンドンの中心部から4つくらい駅に止まるのですが、電車が全く止まらないのです。何回か乗って、どうも最寄駅には各駅停車する電車しか止まらないことに感づいてたので、この電車は各駅電車じゃなく、急行だ!と気づきました。予測通り最寄駅が窓の外を通り過ぎていきます。どこまで連れて行かれるの。。。と半泣きになって電車が止まるのを待ちました。

電車はリッチモンドという駅でようやく止まりました。リッチモンド…聞いたことがある地名、フェスとかやってたっけ?と思いながら階段を上がり、ロンドン中心部方面のホームに降りました。他の数十人の乗客も自分と同じような行動をしていたので、自分が見間違えたのではなく、各駅だったのにいきなり急行に変更したのは間違いなさそうと確信しました。巻き込まれた人々が他にもいる、という事実が少し自分をホッとさせました。しばしホームで次の電車を待ちました。

ようやく電車がやってきて、他の乗客が乗り込んでいるところを見て、よし、間違いないと確信して一緒に乗り込みました。これでようやく…と一安心して席に座ってスマホを見ていました。しかし。しかし、まだトラブルは終わらないのです。電車の発車直前にアナウンスがありました。何を言っているのか聞き取れなかったのですが、あまり気にせずスマホを見続けたところ、一緒に乗り込んだ二人組みの女子高生やサラリーマンが、突然電車を飛び降りたのです。え?この電車、また設定変わった??と考えた瞬間にドアが閉まり、電車が発車してしまいました。まさか、まさかまた各駅じゃなくて急行に勝手に変わった??とずーーっとハラハラした気持ちで窓の外を見ていたら、またもや予測通り最寄駅を通過しました。そして電車に乗り込んだロンドン中心部の駅に戻りました…振り出しに戻った…なおかつ駅の直前で足止めをくらい、20分くらい電車に閉じ込められたままでした…このまま電車に夜中まで閉じ込められたらどうしよう、と不安な気持ちが破裂しておりましたが、なんとか駅のホームには降りれました。そして再び改札の外に出て、最寄駅に止まる電車を待ちました。

この一連の移動で1時間くらい経ってたせいか、1時間前よりは電車は動いているようでした。今度は10分くらいで最寄駅に止まる電車のホームが表示されました。もう二度と同じ過ちはしたくない、と改札に入る前に優しそうな女性の駅員さんを捕まえて、この駅に行きたいけどこのホームの電車はここに止まりますか?と念には念を入れて確認しました。「止まります」という回答を得て電車に乗り込みました。今度はスマホは見ないで、出発まで周りの乗客の様子を観察しながら過ごしました。電車が出発した後も、ずっと窓の外を見て、いつも止まる各駅の駅に止まるがどうかずっと確認していました。今度は間違いなく止まりました。時刻は21時前になっており、人気のない公園と高速沿いの歩道を歩くのが不安で仕方ありませんでしたが、同じように電車が遅れて帰りも遅くなったと思われる、同じ方向の人々が数人いたので、その人たちから離れないように歩いて帰りました。マンションの中に入ってようやく本当に一息つけました。

しかし、この日はもう1つ心の準備が必要な出来事がありました。ホストとのご対面です。本当は昨晩帰ってくる予定だったのですが、到着する飛行機が遅れて、自分が出かけているこの日のお昼にようやくヒースローに到着する、というメッセージが届いてました。さすがにもういるだろうな〜と恐る恐る部屋の扉を開けましたが、電気が付いていません。あれ?さらに飛行機が遅れたのかな?と思いましたが、リビングのソファに見慣れない服が置かれていたり、キッチンの小物の配置が変わっていました。帰っては来ていて、買い物かなんかに出かけているのかなあ、と思いました。とりあえず緊張はほぐれ、部屋に入って一休みしました。

程なくして、鍵を開けるガチャガチャという音が聞こえました。いよいよ…と思い中に入ってきたタイミングを見計らって部屋のドアを開けました。ホストのカップルのうち、やりとりはしていなかったグアテマラ人の彼女の方だけが買い物袋を抱えて帰ってきていました。自分に気づくと、「ああ!Tomoさんですね、初めまして」と相手も少し緊張した面持ちであいさつしてくれました。こちらもあいさつすると、「何か過ごしていて困っていたことはないですか?」「本当は昨日帰ってこれるはずだったのに、何もできずに、申し訳ないです」と少し堅苦しい感じで話をされました。あ、異国人とのコミニュケーションウェーイなフレンドリーな接し方じゃなくて、あくまでお客様としての対応をしてくれるんだ、と思って、こちらも「大丈夫です、帰ってこられなかったことは気にしないでください、楽しく過ごしています、ありがとうございます」と返しました。そして「では」とサッと部屋に引きこもろうとしたところ、「すぐに彼も帰ってくるので、帰ってきたらすぐにあいさつさせますね」と最後まで丁寧な感じで言ってくれたので、お礼を言ってドアを閉めました。airbnbのホストをやっているし、南米の方なのでフレンドリーなラテンノリなのだと勝手に想像していたのに、とてもかしこまっておられたのでちょっとビックリしました。しかも小柄で控えめな雰囲気で、威圧感ゼロでした。でも自分はフレンドリーさを提供できなくて申し訳ないと思っていた気持ちは無くなって、肩の荷はおりました。

そしてすぐにずっとメッセージのやり取りをしていた家主のホストさんも帰ってきました。彼はドイツ人で、控えめな外人らしい巻き髪にすらっとしてスマートでかっこよい方でした。彼も、同じように困っていることはない?帰ってこれなくてごめんね、と言ってくれたのですが彼女よりはだいぶフレンドリーで話しやすかったです。ゴミ箱がないのは部屋を出てすぐ横に、ディスポーザーにつながっている扉があることがわかり、彼らはいつもスーパーのビニール袋にゴミを入れ、すぐにこのディスポーザーに投げ入れてしまうからゴミ箱がいらない、ということでした。なるほど…

ディスポーザーの説明をしてくれた後も少しフリートークしてくれて、どこかに行った?ロンドンは楽しんでる?と聞いてくれました。だんだん自分の語学力が追いつかなくなってきたので、適度なタイミングで明日旅立つ時に在宅していないということを聞き、鍵を置いておく場所の確認と、ここに泊まらせてくれてありがとう、とお礼を言って部屋に引きこもりました。彼の方は相手に合わせてコミュニケーションしてくれる感じで、もっとコミュニケーションとりたい人には合わせて接してくれる感じもありました。スーパーホストの名義に偽りはありませんでした。

その後は明日の出発に備えてずっと荷造りをし、眠りについたのですが、リビングからこの部屋の前を通る時に、彼らがとても気を使って通り過ぎてくれていることに気づいてしまいました。却ってこちらも気を使うから、いつも通り過ごしてほしい…とベットの中で目を閉じながら願いました。彼らは最高のホストだと思うけど、やっぱり自分はairbnb向いてねぇな、と思いつつ眠りにつきました。

いよいよ明日はロンドン最終日ですが、出発が夜なのでまだまだ観光します。

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